レソトは周囲を南アフリカに囲まれた内陸国で、全土が海抜1,000m以上の高地にある気候温暖な高原国です。1966年にイギリスから独立しました。 1973年に7種の蝶切手が初めて発行され、しばらく蝶切手の発行はありませんでしたが、1984年に蝶と花を題材にした16種の通常切手が発行されたのを契機に、現在に至るまで蝶切手が多数発行されています。切手の出来そのものは悪くありませんし、選ばれている蝶も自国に生息する種が選ばれていると思われます。 |
1973.9.3 蝶切手
キイロイチモンジヒカゲ Aeropetes tulbaghia (ジャノメチョウ科) |
アフリカオナシアゲハ Papilio demodocus (アゲハチョウ科) |
ヒメアカタテハ Vanessa cardui (タテハチョウ科) |
ルリボシタテハモドキ Precis hierta ♀ (タテハチョウ科) |
アフリカタテハモドキ Precis oenone ♀ (タテハチョウ科) |
カバマダラ Anosia chrysippus (マダラチョウ科) |
コツマアカシロチョウ(雨期型) Colotis evenina ♂ (シロチョウ科) |
1984年に発行された通常切手16種はすべて蝶と花の図案に統一されています。蝶が切手の印面サイズに比べてやや小さく描かれているのが気になりますが、デザインとしてはなかなかきれいに仕上がっていると思います。背景をマージンをなくし単色カラーでデザインしていますが、ボリビアや韓国のシリーズにも同じようなデザインが見られます。 1973年に発行された蝶切手に描かれた蝶も7種全部があらためて採りあげられています。選ばれている蝶については、温暖な気候が蝶の生息相にも反映されているのでしょうか、シロチョウ科がタテハチョウ科とともに6種採りあげられているのが特徴です。シロチョウ科の6種のうち4種は雄と雌の両方が描かれているのも親切です。 |
1984.1.20 通常切手
カバマダラ Anosia chrysippus (マダラチョウ科) |
キイロイチモンジヒカゲ Aeropetes tulbaghia (ジャノメチョウ科) | コツマアカシロチョウ Colotis evenina ♀♂ (シロチョウ科) |
アフリカタテハモドキ Precis oenone ♀ (タテハチョウ科) |
ルリボシタテハモドキ Precis hierta ♀ (タテハチョウ科) |
ウラナミシロチョウ Catopsilia florella ♀♂ (シロチョウ科) |
ウラベニヒョウモンモドキ Phalanta phalantha (タテハチョウ科) |
ホソチョウの一種 Acraea stenobea (ホソチョウ科) |
ヒメアカタテハ Vanessa cardui (タテハチョウ科) |
ツマアカシロチョウの一種 Colotis subfasciatus ♂♀ (シロチョウ科) |
ヨーロッパフタオチョウ Charaxes jasius (タテハチョウ科) |
ホシボシキチョウ Eurema brigitta ♂♀ (シロチョウ科) |
チョウセンシロチョウの一種 Pontia helice (シロチョウ科) |
ツマムラサキシロチョウ Colotis regina (シロチョウ科) |
メスアカムラサキ Hypolimnas misippus ♀♂ (タテハチョウ科) |
アフリカオナシアゲハ Papilio demodocus (アゲハチョウ科) |
1986年から1988年にかけて額面を変更した加刷切手が合計11種発行されています。台切手(元の切手)の額面と加刷後の額面を比較すると、どうも使用頻度の少ない切手を使用頻度の高い額面に変更し、切手の在庫を調整したように考えられます。 |