ワモンチョウの仲間

ワモンチョウ科に属する蝶は中型から非常に大型のものまであり、アジアからオーストラリアにだけ分布する全体でも100種類以下の比較的小さなグループです。類縁関係から言えば、南米のモルフォチョウ科に近いのですが、ジャノメチョウ科との共通点もあります。ワモンチョウ類は日光が嫌いで森林のくらいところに潜み、主として夕暮れや宵に活動します。


科名ワモンチョウ科 (Amathusiidae)
属名ワモンチョウ属 (Stichophthalma)


ニシシナワモンチョウ
Neumogeni Jungle Queen
Stichophthalma neumogeni ♀

ワモンチョウ
Stichophthalma howqua

ムラサキワモンチョウ
Northern Jungle Queen
Stichophthalma camadeva

1963.4.5
中国
1977.7.20
台湾
1981.10.20
インド

ウスモンワモンチョウ
Siamese Jungle Queen
Stichophthalma louisa

ゴッドフレイワモンチョウ
Stichophthalma godfreyi

1984.11.27
タイ
1984.11.27
タイ


台湾のワモンチョウはおそらく最北のワモンチョウです。ムラサキワモンチョウは、開張が12-13cmと大型のワモンチョウで翅が丸みを帯びています。主にインド北部やパキスタン、ミャンマーの密林地帯に生息し、明け方と日暮れ時にのみ活動します。ふわりふわりと地面近くを飛びます。ゴッドフレイワモンチョウは非常に珍しい種でタイ南西部の密林に住む巨大な蝶です。大きさ、形、色つやは世界の蝶の中でも一目置かれる存在です。


科名ワモンチョウ科 (Amathusiidae)
属名コウモリワモン属 (Amathusia)
分布ミャンマー南部からインドシナ半島、スンダ列島、スラウェシ、フィリピン


コウモリワモンの一種
Palm King
Amathusia phidippus

1993.8.21
シンガポール


Amathusia phidippus はワモンチョウの中では最も分布域の広い種で、したがって変異も大きな種です。ココヤシの害虫であり、この畑のある人家周辺に多いごく普通の種です。明かりに寄せられてよく家の中にも入ってくるそうで、ホテルのロビーに入ってきたところを採集したという話を聞きました。


科名ワモンチョウ科 (Amathusiidae)
属名トガリバワモンチョウ属 (Zeuxidia)


ルリオビトガリバワモンチョウ
The Saturn
Zeuxidia amethystus 上♀下♂

1970.8.31
マレーシア


ルリオビトガリバワモンチョウは、鋭くとがった前翅と後翅の青柴色の斑紋が非常に魅力的です。マレーシアの他、タイとスマトラの森林に生息しています。


科名ワモンチョウ科 (Amathusiidae)
属名メダマチョウ属 (Taenaris)


ウスイロメダマチョウ
Catops Owl
Taenaris catops

キイロメダマチョウ
Taenaris phorcas

1960.9.1
オランダ領ニューギニア
1982.1.5
ソロモン諸島

メダマチョウ属は、ワモンチョウ科の中でも特異なグループで、淡い地色の翅に環のある大きな目玉模様が特徴です。メダマチョウ類はニューギニア周辺に生息しており、非常に変化に富んでいます。Taenaris属は全部で25種が知られています。飛び方はふわふわと緩やかですが、驚くとすばやく藪の中に飛び込んでしまいます。普通の蝶は上に逃げることが多い中で、ちょっと変わった習性です。



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