東ヨーロッパバルカン半島の小国アルバニアから1963年に発行された蝶と蛾のシリーズです。アルバニアは周りをユーゴスラビア、マケドニア、ギリシャに囲まれ、それぞれの国に住むアルバニア人や自国に住むギリシャ人などの扱いをめぐって政情不安に陥っています。 大型のシンプルな構成は、描かれている蝶のデザインが稚拙ではありますが、自国で独自に発行した切手として好感が持てます。選択されている種もヨーロッパを代表する蝶と蛾です。背景のカラフルな色彩と単純なデザインがセットを引き立てています。とくに、最低額面のヨーロッパタイマイは素晴らしい出来だと思います。 |
1963.9.29 蝶蛾切手
ヨーロッパタイマイ Iphiclides podalirius (アゲハチョウ科) |
ヨツモンシタベニヒトリ Callimorpha quadripunctaria (ヒトリガ科) |
ヤマキチョウ Gonepteryx rhamni ♂ (シロチョウ科) |
ヨーロッパメンガタスズメ Acherontia atropos (スズメガ科) |
クモマツマキチョウ Anthocharis cardamines (シロチョウ科) |
クジャクチョウ Inachis io (タテハチョウ科) |
1966年には8種の蝶とトンボを描く昆虫切手が発行されました。蝶が5種、トンボが3種です。花にとまる蝶がアニメイラスト風にややデフォルメされて描かれています。好き嫌いの分かれるところかもしれませんが、メルヘンティックに可愛い感じの仕上がりになっており、1966年当時としてはなかなか味のある出来だと思います。 |
1966.4.21 昆虫切手
ヒメアカタテハ Vanessa cardui (タテハチョウ科) |
モトモンキチョウ Colias hyale (シロチョウ科) |
キアゲハ Papilio machaon (アゲハチョウ科) |
ミルミドーネモンキチョウ Colias myrmidone (シロチョウ科) |
フタスジチョウ Neptis rivularis (タテハチョウ科) |
最高額面に描かれているフタスジチョウは日本にも分布する蝶ですが、 Hungarian Glider という英名からもわかるように、ヨーロッパでは東ヨーロッパにのみ生息する種類です。 |