ベニンはアフリカギニア湾北岸に位置する国で、北はニジェールとブルキナファソ、東はナイジェリア、西はトーゴに接しています。1960年にフランスからダオメーとして独立しました。1975年にベニン人民共和国と改称し、1990年にはベニン共和国と再度改称しています。 1980年に農作物の害虫を描く3種の切手を発行しました。そのうちの2種がアケビコノハというヤガ科の蛾を描いています。残りの1種にはカブトムシの仲間が描かれています。図案はやや絵画調(というか児童画調)にデフォルメされています。 ヒメアケビコノハは、開帳が8-10cmの大型の蛾で、後翅はオレンジ色またはオレンジ色を帯びた黄色の地に湾曲した黒色の斑紋があります。どちらのアケビコノハも、アフリカ熱帯域、東南アジア、オーストラリアにかけて分布しており、熱帯果実の穴をあける害虫として嫌われています。 |
1980.10.1 害虫切手
アケビコノハの一種 Othreis materna (ヤガ科) |
ヒメアケビコノハ Othreis fullonia (ヤガ科) |
1986年には2種の蝶切手が発行されました。1種それぞれに3種類の蝶が描かれています。2種類の蝶が描かれている切手はときどきみかけますが、3種も詰め込まれた切手はめったにありません。セネガルの3種の蝶が描かれた切手(1982年)が最初で、この切手がおそらく二番目ではないかと思われます。描かれている蝶はほとんどがヨーロッパを中心に旧北区と呼ばれる地域に生息するお馴染みの種ばかりです。アフリカのベニンに分布している可能性があるのは世界中に分布するヒメアカタテハだけです。ちょっと発行の主旨が測りかねます。 |
1986.9.15 蝶切手
クジャクチョウ Inachis io (タテハチョウ科) コヒオドシ Aglais urticae (タテハチョウ科) キベリタテハ Nymphalis antiopa (タテハチョウ科) |
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クモマツマキチョウ Anthocharis cardamines (シロチョウ科) キアゲハ Papilio machaon (アゲハチョウ科) ヒメアカタテハ Vanessa cardui (タテハチョウ科) |