アファール・イッサは、アフリカ大陸の北東部、紅海とインド洋を結ぶ戦略的要所に位置するフランス領ソマリランドが、1967年にアファール・イッサと改称したものです。アファール・イッサは1977年には独立しジブチ共和国となっていますので、この国名は1967年から1977年の約10年間だけ使われたことになります。アファール・イッサという国名は、この国を二分する勢力であるソマリア系イッサ族とエチオピア系アファール族の名前からきています。 このアファール・イッサから、1975年から1976年にかけて蝶と蛾を描く8種の通常切手が発行されました。描かれている蝶は、メスアカムラサキ、ヒメアカタテハといった世界的な一般種、オスジロアゲハ、アフリカオナシアゲハ、ニレウスルリアゲハといったアフリカの一般種のほか、ヒイロホソチョウとヤママユガが2種とです。 |
通常切手
1975.3.21 | |
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メスアカムラサキ Hypolimnas misippus ♀♂ (タテハチョウ科) |
オスジロアゲハ Papilio dardanus ♂ (アゲハチョウ科) |
1975.4.25 | |
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ニレウスルリアゲハ Papilio nireus (アゲハチョウ科) |
アフリカオナシアゲハ Papilio demodocus (アゲハチョウ科) |
1976.5.5 | |
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ヤママユガの一種 Holocerina smilax ♂ (ヤママユガ科) |
ヤママユガの一種 Gonimbrasia balachowskyi ♀ (ヤママユガ科) |
1976.12.15 | |
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ヒイロホソチョウ Acraea anemosa (ホソチョウ科) |
ヒメアカタテハ Vanessa cardui (タテハチョウ科) |
ヒイロホソチョウは、開張6〜7cmのナタール地方に特産のホソチョウで、ホソチョウとしてはもっとも美しい部類に入ります。生息数は決して多い方ではありません。棘のの多い木の梢に咲く花によく吸蜜にきますが地上にはめったに降りることはありません。 なお、ヒイロホソチョウとヒメアカタテハを描く2種の切手は、アファール・イッサが1977年にジブチ共和国として独立した際に、独立を記念して新国名を加刷した切手が発行されています。 |