アフリカのギニア湾東部の火山島サントメ・プリンシペ両島と周辺の4つの小島からなる島国、サントメ・プリンシペ民主共和国から発行された蝶切手です。サントメ・プリンシペは、ポルトガルの支配から1975年に独立した国ですが、面積が東京都の約半分、人口が約13万人にの小さな国です。 この7種の蝶切手からなるシリーズですが、発行形態がちょっと変わっています。低額の2種は単片で、額面11eの4種は田型の連刷で、最高額の50eは小型シートでそれぞれ発行されました。選ばれている蝶は、カバマダラ、メスアカムラサキなどお馴染みの種類の他、ホソチョウが3種も選ばれています。ホソチョウは、オーストラリアやインドに数種が分布する他は、ほとんどがアフリカ大陸に生息しています。一般的に小型の蝶で丸みのあるやや長い前翅が特徴であり、幼虫は毒素を含むトケイソウ科の植物を食草としているため、アフリカを代表する毒蝶として知られています。このためほとんどの種類が擬態のモデルになっています。 ところで、切手の印面に書かれている蝶の学名が、50eの切手以外はまったく違った名前になっています。Mr.GOさんにも指摘してもらいましたが、切手制作時の誤りなのでしょうか。なお、ここの種名はJPS昆虫切手部会の「世界の昆虫切手」に基づいています。 |
1979.6.8 蝶切手
ホソチョウの一種 Acraea newtoni (ホソチョウ科) |
ホソチョウの一種 Acraea quirina (ホソチョウ科) |
メスアカムラサキ Hypolimnas misippus ♂ (タテハチョウ科) |
カバマダラ Anosia chrysippus (マダラチョウ科) |
アフリカマダラタイマイ Graphium leonidas (アゲハチョウ科) |
ホソチョウの一種 Acraea lycoa (ホソチョウ科) |
コノハフタオチョウ Charaxes varanes (タテハチョウ科) |