西アフリカのマリ共和国から1964年に発行された14種のロングセットです。最初の蝶と蛾を描いた三角切手といいたいところなのですが、実は1960年にルーマニアから蝶が描かれた2種の三角切手が先に発行されています。ただし、このルーマニアの切手はデザインが劣悪なので、マリのこのシリーズを世界最初の本格的な蝶を描いた三角切手と考えていいでしょう。 同額面の2種づつを正方形になるように組み合せてシートが構成されています。切手収集の専門用語では、このように隣り合う切手の向きを変えて印刷されたものをテートベッシュといいます。三角切手といえば、この直角二等辺三角形がシート構成が単純になることからも一般的ですが、正三角形や対称でない三角切手なども発行されています。日本からもつい先頃グリーティング切手として犬や猫の小動物の形をした変形シール切手が発売されましたが、三角切手はまだ発行されていません(1998.9現在)。 |
1964.6.1 不足料切手
Polyptychus roseus (スズメガ科) |
キョウチクトウスズメ Daphnis nerii (スズメガ科) |
マヤヤママユ Gynanisa maja (ヤママユガ科) |
アフリカチャイロヤママユ Bunaea alcinoe (ヤママユガ科) |
ナカグロツマアカシロチョウ Colotis eris ♂ (シロチョウ科) |
マルバネツマアカシロチョウ Colotis antevippe (シロチョウ科) |
ヨーロッパフタオチョウ Charaxes jasius (タテハチョウ科) |
Manatha microcera (ミノガ科) |
Hypokopelates otraeda ♂ (シジミチョウ科) |
Lipaphnaeus leonina ♀ (シジミチョウ科) |
Gonimbrasia hecate (ヤママユガ科) |
フタモンヤママユの一種 Lobobunaea christyi (ヤママユガ科) |
メスアカムラサキ Hypolimnas misippus ♂ (タテハチョウ科) |
ウラナミシロチョウ Catopsilia florella (シロチョウ科) |
キョウチクトウスズメはスズメガの中でももっとも派手な種の一つです。紫味をおびたピンク色と緑色の濃淡からなる複雑な模様があり、切手にもしばしば採り上げられています。胴体も翅と似た模様をしており、葉にとまっているとカムフラージュされてしまいます。アフリカとアジア南部に生息しますが、ヨーロッパに向けて渡りを行います。 ウラナミシロチョウ(ミズアオシロチョウともいう)は、アフリカに普通に見られる中型のシロチョウです。インド、中国、マレーシアでも見ることができます。黄緑色味をおびた白色で、前翅の中央に一対の黒い小点があります。胴体の先端が黄色くなっているのが特徴です。 |