モルジブは、スリランカの南西675kmのインド洋上に点在する1,196の島々からなる海洋国家です。そのうち人が住んでいるのは203の島々であり、いずれも珊瑚礁からなる小さな島のためすべての島をあわせた総面積も淡路島の約半分という小さな国家です。切手による外貨獲得も行っており、蝶や蛾を描いた切手の発行も多くなっています。 1973年に発行された7種の動物切手の1種にコノハチョウが描かれました。コノハチョウは沖縄(琉球)や日本切手にも採り上げられています。その名の示すとおり翅の裏側が枯葉そっくりになっています。 |
1973.10 動物切手
コノハチョウ Kallima inachus (タテハチョウ科) |
1975年には8種の本格的な蝶と蛾のシリーズが発行されました。イボタガを描く蛾が1種のほかはすべて蝶を描いています。日本にも分布するイボタガは、アジアを代表するみごとな(決して美しいとはいえない) 蛾で、開張9-16cm、大きな目玉模様が特徴です。その模様から英名を Owl Moth (フクロウガ) と呼ばれています。イボタガの属するイボタガ科は蛾の中でも極めて小さなグループで、約20種が知られているのみです。 テングアゲハは、世界のアゲハチョウの中でも風変わりな容姿、色彩、斑紋を持ちますが、その習性も一風変わっています。まず、そのとび方がとても荒っぽく粗雑で、慌てて壁にぶつかったりすることもあるそうです。また、はやく飛ぶにもかかわらず、葉の上にとまっているときなどに網をかぶせてもじっとして死んだようになっていることがあるそうです。 |
1975.9.7 蝶蛾切手
イボタガ Brahmaea wallichii (イボタガ科) |
テングアゲハ Teinopalpus imperialis ♀ (アゲハチョウ科) |
ウスベニハレギチョウ Cethosia biblis (タテハチョウ科) |
ハイイロホソバオオゴマダラ Idea jasonia (マダラチョウ科) |
タイリクコムラサキ Apatura ilia (タテハチョウ科) |
アオコノハチョウ Kallima horsfieldi (タテハチョウ科) |
ヒイロツマベニチョウ Hebomoia leucippe ♀ (シロチョウ科) |
ナガサキアゲハ Papilio memnon ♀ (アゲハチョウ科) |
ナガサキアゲハは後翅の突起がないものとあるものがあります。同じ種類でありながら翅の形、模様、色が異なった型を示すことを多型現象と言いますが、ナガサキアゲハは多型現象を現す代表種と言われています。この切手のナガサキアゲハは突起のある有尾型ですが、台湾の切手に描かれたナガサキアゲハは無尾型です。 |