南米のガイアナは、もともと英領ギアナと呼ばれていましたが、1966年に英連邦の23番目の独立国となりました。この国の切手発行の歴史は大変古く、英領ギアナ時代の1850年にはすでに切手が発行されていました。世界にたった1枚しかない大珍品の1セント切手でも有名です。 このガイアナでは、1978年から蝶をモチーフとした通常切手が使用されるようになりました。1978年に11種、1980年に追加で3種が発行されています。このガイアナからブラジルにかけては世界的に有名な蝶の多産地であることもあり、描かれている蝶はいずれも自国産の美しい種類ばかりです。レテノールモルフォの雌雄を含めモルフォチョウが3種、シジミタテハ科が2種、タテハチョウ科が5種、その他、フクロウチョウ科、セセリチョウ科、シロチョウ科、アゲハチョウ科が各1種づつと、バラエティに富んでおり、しかもこれが通常切手として何年間も使用されているということから、大変すばらしいシリーズといいたくなります。 ところが大変残念なことに、この蝶切手は収集家の間では非常に困ったシリーズにもなっています。というのも、この通常切手を台切手とする加刷切手がその後10年近くに渡って多種多様に発行されたのです。最初のうちこそ、経費節減目的からの記念特殊切手発行であったようですが、1983年以降は、小型シート化して記念加刷を行うなど複雑化し、かつ、ミスプリントや加刷のバラエティがたくさんあり収集家を悩ませています。私もガイアナの加刷切手には当分手は出さないでおこうと考えています。 |
1978.10.1 通常切手
ルリオビプレポナ Prepona pheridamas (タテハチョウ科) |
キオビマエモンシロチョウ Archonias bellona ♀ (シロチョウ科) |
ムラサキフクロウチョウ Eryphanis automedon (フクロウチョウ科) |
ミツオシジミタテハ Helicopis cupido ♀ (シジミタテハ科) |
アケボノタテハの一種 Nessaea batesii ♂ (タテハチョウ科) |
ベニコノハ Anaea thebais (タテハチョウ科) |
レテノールモルフォ Morpho rhetenor ♂ (モルフォチョウ科) |
ウラベニカスリタテハ Hamadryas amphinome (タテハチョウ科) |
クラウディナアグリアス Agrias claudina (タテハチョウ科) |
レテノールモルフォ Morpho rhetenor ♀ (モルフォチョウ科) |
ディダミアモルフォ Morpho deidamia (モルフォチョウ科) |
1980.1.25 通常切手
イチモンジルリシジミタテハ Nymphidium mantus (シジミタテハ科) |
フトオビアゲハ Papilio androgeus (アゲハチョウ科) |
オオルリセセリ Elbella patrobas (セセリチョウ科) |