ギニア Guinea

西アフリカのギニアは1958年に共和国としてフランスから独立しました。1963年に17種の蝶を描いた通常切手を発行しています。17種ものロングセットなのですが、デザインは5種類だけです。それも額面順に規則的にデザインが繰り返されているわけではなく、不規則に5種類のデザインが並んでいます。どういう考えでこのような構成になっているのか理解に苦しみます。

描かれている蝶は、アゲハチョウ科が4種とマダラチョウ科が1種です。アゲハチョウ科の4種は、アフリカオナシアゲハをはじめアフリカに広く生息する一般的な種が選ばれています。問題はマダラチョウ科のシロモンマダラですが、切手の印面には「Famille Papilionides」(アゲハチョウ科)と書かれており、シロモンマダラに擬態するオスジロアゲハの雌を描いたつもりかもしれません。しかし、印面からはどうもシロモンマダラのように思われます。


1963.5.10 通常切手

シロモンマダラ
Amauris niavius
(シロチョウ科)
アフリカオナシアゲハ
Papilio demodocus
(アゲハチョウ科)

ヒメオナガコモンタイマイ
Graphium policenes
(アゲハチョウ科)
ニレウスルリアゲハ
Papilio nireus
(アゲハチョウ科)
シロモンマダラ
Amauris niavius
(シロチョウ科)

オオサカハチアゲハ
Papilio menestheus
(アゲハチョウ科)
アフリカオナシアゲハ
Papilio demodocus
(アゲハチョウ科)
ヒメオナガコモンタイマイ
Graphium policenes
(アゲハチョウ科)

ニレウスルリアゲハ
Papilio nireus
(アゲハチョウ科)
シロモンマダラ
Amauris niavius
(シロチョウ科)
オオサカハチアゲハ
Papilio menestheus
(アゲハチョウ科)

アフリカオナシアゲハ
Papilio demodocus
(アゲハチョウ科)
ニレウスルリアゲハ
Papilio nireus
(アゲハチョウ科)

シロモンマダラ
Amauris niavius
(シロチョウ科)
ヒメオナガコモンタイマイ
Graphium policenes
(アゲハチョウ科)
オオサカハチアゲハ
Papilio menestheus
(アゲハチョウ科)


1973年に6種の昆虫切手が発行され、蝶と蛾が1種づつ描かれました。ここに描かれている種もそうですが、カノコガの仲間には驚くほどうまくハチに擬態する種類がいます。一方、ミイロシジミタテハは南米ペルー産の世界で最も美しい蝶の一つですが、アフリカのギニアには絶対に生息しない種です。切手の主題や内容に問題があるシリーズです。アフリカ諸国や中南米のいわゆる切手多発国では外国の業者に切手の印刷だけでなく企画まで任せてしまうケースが多くあり、このような自国との関係があいまいな切手が発行されることが多々あります。


1973.3.5 昆虫切手

カノコガの一種
Syntomeida epilais
(カノコガ科)
ミイロシジミタテハ
Ancyluris formosissima
(シジミタテハ科)



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