コンゴ人民共和国 People's Republic of Congo

アフリカにはコンゴという国が2つあります。旧フランス領のコンゴと旧ベルギー領のコンゴです。旧ベルギー領のコンゴは、1971年にザイールと国名を改称していましたが、1997年にコンゴ民主共和国に戻しています。旧フランス領のコンゴは、1960年にフランスからコンゴ共和国として独立しましたが、1970年にコンゴ人民共和国と改称しています。ただし、1991年には再びコンゴ共和国に戻しました。ちょっとこんがらかりそうですが、コンゴ民主共和国のページに表で整理しましたので参照してみてください。

その、旧フランス領コンゴであるコンゴ人民共和国(現在はコンゴ共和国)からの蝶と蛾の切手を紹介します。1971年7月にヤママユガの幼虫を描く6種の切手が発行されていますが、成虫はシルエットだけでいわゆる毛虫の切手なので気が向いたら紹介しようと思います。同じ1971年の10月には成虫を描く5種の蝶蛾切手が発行されました。ベニイロタテハは赤道アフリカに産する美しい蝶で、赤道周辺のアフリカ諸国の切手に度々登場しています。濃い血のような美しい赤い色は独特で、同じような赤い色を持つ蝶は見あたりません。アフリカミドリスズメはやはり赤道付近のアフリカから南アフリカにかけて広く分布する種類ですが、スズメガ科の中ではきわめて特異な色彩を持っています。胴と前翅は濃い緑色で、後翅はオレンジ色に近い黄色。裏面も緑色ですが変化に富んでおり、淡赤色や赤褐色味を帯びています。また、胴の腹面には銀色の2個の斑紋があります。


1971.10.15 蝶蛾切手

ベニイロタテハ
Cymothoe sangaris
(タテハチョウ科)
コンゴオナガシジミ
Tanuetheira timon ♂
(シジミチョウ科)

オスジロアゲハ
Papilio dardanus ♂
(アゲハチョウ科)
アフリカミドリスズメ
Euchloron megaera
(スズメガ科)
フォルカスアゲハ
Papilio phorcas
(アゲハチョウ科)


1980年には小型シート1種を含む6種の蝶切手が発行されました。オスジロアゲハは1971年に続いて2回目です。アフリカオナシアゲハやメスアカムラサキなどお馴染みの種類が中心です。図柄には翅の表面と裏面が描かれており、生物標本的なデザインになっています。最高額面のアサギフタオチョウは小型シートのみの発行となっています。


1980.7.12 蝶切手

オスジロアゲハ
Papilio dardanus ♂
(アゲハチョウ科)
ウスアオシンジュタテハ
Salamis parhassus
(タテハチョウ科)
アフリカオナシアゲハ
Papilio demodocus
(アゲハチョウ科)

ボカシタテハの一種
Euphaedra sp.
(タテハチョウ科)
メスアカムラサキ
Hypolimnas misippus ♂
(タテハチョウ科)
アサギフタオチョウ
Charaxes smaragdalis
(タテハチョウ科)


小型シート



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