アフリカにはコンゴという国が2つあります。旧フランス領のコンゴと旧ベルギー領のコンゴです。どちらも国名が何回か改称されており注意しないとこんがらかりそうです。経緯を表に整理してみました。 |
旧フランス領コンゴ | 旧ベルギー領コンゴ | |
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1960年 | コンゴ共和国として独立 | コンゴ共和国として独立 |
1967年 | コンゴ民主共和国と改称 | |
1970年 | コンゴ人民共和国と改称 | |
1971年 | ザイール共和国と改称 | |
1991年 | コンゴ共和国と改称 | |
1997年 | コンゴ民主共和国と改称 |
その、旧ベルギー領コンゴであるコンゴ民主共和国からの蝶と蛾の切手を紹介します。1971年に大型で美しい印刷の10種の蝶蛾切手が発行されました。シャクガ、ヤママユガなど4種の蛾が含まれていますが、蛾を描く切手の背景が夜のデザインになっているところが、ちょっと凝っていて面白い味を出しています。25Kのベニイロタテハは赤道アフリカに産する美しい蝶で、赤道周辺のアフリカ諸国の切手に度々登場しています。このベニイロタテハの仲間(Cymothoe属)が赤道アフリカ地域に分布しており、3Kのベニイロタテハの一種もその一つです。ベニイロタテハはそれほど大型の蝶ではなく、開張6〜7cm程度です。 |
1971.2.24 蝶蛾切手
プロトメディアツマアカシロチョオウ Colotis protomedia ♂(左) ♀(右) (シロチョウ科) |
シャクガの一種 Rhodophititus simplex (シャクガ科) |
カタンガボカシタテハ Euphaedra overlaeti (タテハチョウ科) |
オナガヤママユの一種 Argema bouvieri (ヤママユガ科) |
ベニイロタテハの一種 Cymothoe reginae-elisabethae ♂(左) ♀(右) (タテハチョウ科) |
ヤガの一種 Miniodes maculifera (ヤガ科) |
ルリツヤシンジュタテハ Salamis temora ♂ (タテハチョウ科) |
レーダシロチョウ Eronia leda ♂(左) ♀(右) (シロチョウ科) |
ベニイロタテハ Cymothoe sangaris ♂(左) ♀(右) (タテハチョウ科) |
アフリカミドリスズメ Euchloron megaera (スズメガ科) |
1977年に新国名「REPUBLIQUE DU ZAIRE(ザイール共和国)」を加刷した切手が発行されました。新国名に改称されたのは1971年であり、かれこれ6年も経ってから正刷切手ではなく加刷切手が発行されるとはのんびりしたものです。台切手である1971年のシリーズはスイスのクルヴォアジエ社の印刷であり、切手を全て国外発注している事情も関係しているのでしょう。 |
1977.4.12 新国名(ザイール共和国)加刷
プロトメディアツマアカシロチョオウ Colotis protomedia ♂(左) ♀(右) (シロチョウ科) |