西アフリカのギニア湾北岸の小国トーゴからは比較的古い時期から蝶切手を発行しています。しかしながら発行内容はお粗末です。というのも、自国には生息し得ないモルフォチョウなどが何の意味もなく採用されていたり、デザイン的にもお粗末な発行が目立ちます。 1964年から1965年にかけて発行された17種の動植物を主題とした通常切手は、デザイン的にはすばらしいものがあるのですが、やはり描かれている動植物が自国とは全く関係ないものが含まれていて残念です。その中の3種が蝶と蛾で、オスジロアゲハとアフリカチャイロヤママユはトーゴにも生息すると思われますが、エガモルフォは南米の蝶です。アフリカチャイロヤママユはサハラ砂漠より南のアフリカ全域に広く生息する種類です。マリ、ルワンダなどの切手にも登場しています。 |
1964-1965 通常切手
1964.1.4 | 1965.6.12 | 1964.9.26 |
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オスジロアゲハ Papilio dardanus ♂ (アゲハチョウ科) |
エガモルフォ Morpho aega (モルフォチョウ科) |
アフリカチャイロヤママユ Bunaea alcinoe (ヤママユガ科) |
1964年に発行された「統合と協調」と題するシリーズ5種のうち2種に蝶が描かれましたが、ここでも何故か東南アジア産のナガサキアゲハが描かれました。 |
1964.8.18 統合と協調
ナガサキアゲハ Papilio memnon ♀ (アゲハチョウ科) |
1970年には6種の大型の蝶と蛾を描く切手が発行されました。なぜこのような大型の切手を発行する必要があるのか非常に疑問です。デザインもバランスが悪く余りよい出来とはいえません。カバマダラはやや直線的に描かれていて他の切手と描き方が異なっています。また、アフリカミドリスズメを2種に描いたりと、企画の統一がありません。 |
1970.11.21 蝶蛾切手
アフリカミドリスズメ Euchloron megaera (スズメガ科) |
ベニイロタテハ Cymothoe sangaris ♂ (タテハチョウ科) |
カバマダラ Anosia chrysippus (マダラチョウ科) |
ポルチスモルフォ Morpho portis ♂ (モルフォチョウ科) |
アフリカミドリスズメ Euchloron megaera (スズメガ科) |
ベニモンホソチョウモドキ Morpho aega (タテハチョウ科) |
1973年に前記シリーズのうちカバマダラを描く切手に "SECHERESSE SOLIDARITE AFRICAINE" の加刷を入れたキャンペーン切手が発行され、干ばつ救済のために使われました。 |
1973.12 干ばつ救済(加刷)
カバマダラ Anosia chrysippus (マダラチョウ科) |