アフリカ東端のアラビア半島に対峙するソマリアから1961年に発行された蝶切手です。航空切手として発行されましたが、蝶が翅を広げている姿を横から描写し隣に描いた航空機とうまく対比させており、スピード感のある仕上がりになっています。ちょっと変わった蝶切手として好感が持ています。 ソマリアは、北部がイギリス、南部がイタリアの保護領でしたが、第二次世界大戦をはさんで1960年の6月に北部がソマリランドとして独立し、同年7月の南部独立と同時に合併しソマリア共和国となりました。現在は、1969年の無血クーデターによりソマリア民主共和国として社会主義国家を宣言しています。 |
1961.9.9 蝶切手(航空切手)
シロモンマダラの一種 Amauris fenestrata (マダラチョウ科) |
Euryphura chalcis (タテハチョウ科) |
オオサカハチアゲハ Papilio lormieri (アゲハチョウ科) |
ドルーリーオオアゲハ Papilio antimachus ♂ (アゲハチョウ科) |
コモンマダラの一種 Tirumala morgeni (マダラチョウ科) |
フォルカスアゲハ Papilio phorcas (アゲハチョウ科) |
ヘリグロフタオチョウ Charaxes cynthia (タテハチョウ科) |
1970年に4種の蝶切手が発行されました。ところが、1961年に発行されたすばらしい航空切手に比べ、何ともお粗末なシリーズになっています。4種のうち3種はソマリアに生息しているはずのない種が描かれています。南米のタテハチョウであるアグリアスの仲間、東南アジアのアゲハチョウであるキシタアゲハ、マダガスカル特産のニシキオオツバメガの3種です。かろうじてコノハフタオチョウだけがソマリアにも生息しているのではないかと思われます。種の選定をどのように行ったのか不可解であり、描かれている蝶も貧弱なデザインとなっており残念なシリーズになっています。 |
1970.3.25 蝶蛾切手
コノハフタオチョウ Charaxes varanes (タテハチョウ科) |
ベアタアグリアス Agrias beata (タテハチョウ科) |
キシタアゲハ Troides aeacus ♀ (アゲハチョウ科) |
ニシキオオツバメガ Chrysiridia madagascariensis (ツバメガ科) |