通常切手
1959.8.10 | 1960.7.1 |
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コノハチョウ Kallima inachus (タテハチョウ科) |
沖縄は戦後アメリカに占領され 1972年に返還されるまで琉球郵便の名称で正式に切手が発行され使用されていました。上記は日本最初の蝶切手であるオオムラサキの切手から約3年後に発行された沖縄切手最初の蝶切手です。といっても後にも先にも蝶切手は上記の2種だけですが。 ところで図案に描かれているコノハチョウはその羽の裏面が枯れ葉にそっくりなことで有名ですが、左側の最初に発行された切手には頭を上にして枝にとまっているところが描かれています。この切手が発行された後、昆虫学者などからコノハチョウは頭を下にして枝にとまる習性があると異論が出たため、図案を修正した右側の切手があらためて発行されたという経緯があります。ところが実際には頭を上にしてとまることもあると言った後日談もあったりしてとにかく話題の多い切手でした。 |
ところで沖縄切手の額面通貨が$/¢であるように、アメリカの施政権下にあった当時は全てがアメリカ方式で、例えば道路も右側通行でした。1972年に返還された後もアメリカ占領の影響は消えず、右側通行が左側通行に改められたのも1976年頃ではなかったかと思います。その頃学生だった私は沖縄に旅行し、右側通行から左側通行に改める標識が準備されていたのを覚えています。 返還後何年か経った後、沖縄の若い人がテレビの街頭インタビューで、本土の人から日本語がお上手ですねと言われて非常にショックを受けたと応えていたのが今でも非常に強く私の頭に残っています。現在は沖縄が占領されていたということすら忘れかけられていたのですが、米軍基地問題でいわゆる本土の人たちもほんの少し意識が蘇ったのではないかと思います。 |
この使用済切手にあるように沖縄では切手の消印にも占領地の影響があります。この切手の使用日は 1959.12.8 で那覇(NAHA)局の消印です。消印の最後の「5」は、1959年の59の表示の一部です(1959年発行なので59しかありえません)。日本切手の同種の消印の場合には西暦ではなくて和暦が使われます。もちろん局名にはローマ字ではなく漢字が使われます。 |
1959.7.23 日本生物教育会沖縄大会記念
ヨナクニサン
Attacus atlas
(ヤママユガ科)
この切手はコノハチョウの切手よりも少し早く発行された沖縄最初で最後の蛾の切手です。描かれているヨナクニサンと言う蛾は沖縄では与那国島特産の蛾で、広げた羽の幅が30cmを越える世界最大の蛾と言われています。インド、スリランカから中国、インドシナ半島、インドネシアにかけて分布します。コノハチョウとともによくテレビなどでも紹介されるのでご存じの方も多いでしょう。なお、切手の印面にはヨナグニサンと書かれていますが、正式名はヨナクニサンと言うようです。 |