南太平洋に浮かぶフィジーの蝶と蛾の切手です。フィジーは、ビチレブ島とバヌアレブ島を中心に大小332の島々からなる国家で、総面積は四国とほぼ同じ大きさになります。1874年から1970年まで英国領でしたが1970年に独立しました。英国人に砂糖プランテーションの労働者として連れてこられたインド人を祖先とするインド系住民と先住のフィジー系住民が半々で人種対立が存在します。 独立前の1968年と1969年に2種の蛾を描く通常切手が発行されています。まず1968年に17種の通常切手が発行されましたが、その中の2種にスズメガとヒトリガが描かれました。スズメガの学名「Psilogramma jordana」は、ドイツの昆虫学者 K. Jordan にちなんで命名されたものです。 |
1968.7.15 通常切手
スズメガの一種 Psilogramma jordana (スズメガ科) |
ヒトリガの一種 Asota woodfordi (ヒトリガ科) |
1969年には英国本国の十二進法から十進法への通貨単位の変更にあわせてフィジーでも切り替えが行われ、通常切手も十進法額面の切手が同じデザインで発行されました。 |
1969.1.13 通常切手(十進法)
スズメガの一種 Psilogramma jordana (スズメガ科) |
ヒトリガの一種 Asota woodfordi (ヒトリガ科) |
独立後の1985年には4種の蝶切手が発行されました。お馴染みのオオカバマダラ、インドからニュージーランドにかけて生息するリュウキュウムラサキ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアと旧世界に広く分布するウラナミシジミ、それにサイパンタテハモドキの4種です。 |
1985.2.4 蝶切手
オオカバマダラ Danaus plexippus (マダラチョウ科) |
リュウキュウムラサキ Hypolimnas bolina ♂ (タテハチョウ科) |
ウラナミシジミ Lampides boeticus (シジミチョウ科) |
サイパンタテハモドキ Precis villida (タテハチョウ科) |