フォークランド諸島は、南米アルゼンチン南端部の東方海上500km、南西大西洋の約200の島々からなりたっています。1833年以来英国領となりましたが、1982年のアルゼンチンと英国の間で勃発したフォークランド戦争の舞台となりました。その英領フォークランド諸島から1984年に15種の通常切手が発行され、そのうちの12種に昆虫が描かれ、蝶と蛾が2種ずつ含まれています。 |
1984.1.3 通常切手
ヤガの一種 Pareuxoina falklandica (ヤガ科) |
タテハチョウの一種 Issoria cytheris (タテハチョウ科) |
ヤガの一種 Caphornia ochricraspia (ヤガ科) |
ヒメアカタテハの一種 Vanessa carye (タテハチョウ科) |
左下のヤガの一種は、英名を Ochre Shoulder Moth (黄土色の肩を持つ蛾)と呼ばれる比較的大型の蛾で、牧草地に生息しています。1924年に Vallentin という人の記録によると、夏の夕方になると頻繁にうじゃうじゃ群れていたが、生きた個体を採集できたことはなかったとのこと。最近では生息数が増加しており採集は困難ではなくなっています。牧草地の増加が種の増加につながっていると考えられています。 右下のヒメアカタテハの一種は Southern Painted Lady と呼ばれるように、ヒメアカタテハ(Painted Lady)に非常に近い種類です。ヒメアカタテハと同じように渡りを行いますが、その移動範囲はコロンビア南部からアルゼンチンおよびチリにかけてのアンデス山脈高地に限られています。また、フォークランド諸島の他、イースター島などのいくつかの島でも生息が確認されています。晩夏(1月から3月)に現れ、すばやくジグザグに飛翔するのが特徴です。 |