世界の大国の中では蝶切手の発行が遅かったオーストラリアのシリーズです。10種の通常切手として植物を背景にオーストラリア産の蝶が描かれています。白の背景に正確に細部まで描かれた蝶と、シンプルながら洒落た高級感のある仕上がりになっています。蝶は図鑑的な描き方でなく自然に羽を広げた感じにしていますが、これは好みが分かれるところでしょう。 |
1983.6.15 通常切手
(30cのみ1983.10.24発行)
ラッフルズセセリ Euschemon rafflesia (セセリチョウ科) |
メガネトリバネアゲハ Ornithoptera priamus ♂ (アゲハチョウ科) |
アサギタイマイ Graphium macleayanum (アゲハチョウ科) |
1983.10.24 | |||
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オオルリアゲハ Papilio ulysses (アゲハチョウ科) |
Pseudalmenus chlorinda (シジミチョウ科) |
コモンアサギマダラ Tirumala hamata (マダラチョウ科) |
ウスバジャコウアゲハ Cressida cressida (アゲハチョウ科) |
ベニモンカザリシロチョウ Delias aganippe ♀ (シロチョウ科) |
ヤドリギシジミの一種 Ogyris amaryllis (シジミチョウ科) |
ベニモンクロヒカゲ Tisiphone abeona (ジャノメチョウ科) |
ラッフルズセセリは、地味で小型の蝶が多いセセリチョウ科の中にあっては比較的大型で、黒地に黄色の斑紋が美しいオーストラリア特産のセセリチョウです。雄の前翅と後翅が蛾のようにつながっている点が変わっています。すばやくちょこちょこと飛び回ります。 オオルリアゲハは、メガネトリバネアゲハとともに世界の蝶の中でも豪華な種類に数えられるものです。翅の開帳が12cmを超える個体もあります。どちらもソロモン諸島の蝶切手にも登場しています。 ウスバジャコウアゲハは、ジャコウアゲハとウスバシロチョウを掛け合わせたような変わった蝶で、オーストラリアの他パプアニューギニアにも生息します。翅は透明に近く、とくに雌は油紙のように薄く透けています。 蟻と共生するヤドリギシジミの仲間や、はるか北のアジアにまで分布するコモンアサギマダラ、ジャノメチョウ科のベニモンクロヒカゲなど、特徴ある種類が選ばれていますが、なんとタテハチョウ科の蝶は一種もいません。オーストラリアの蝶の分布相を示していて面白いです。 |