蝶切手の歴史は比較的浅く、世界最初の純蝶切手が1950年に発行されて以来、たかだか半世紀にしかなりません。したがってすべての蝶切手を収集することも決して不可能なことではないのですが、そんな中でも現在では入手が困難な蝶切手もかなりあります。エルサルバドルから1969年に発行された8種のシリーズもそんな蝶切手の一つです。 長い間探し求めていたこのシリーズを最近幸運に恵まれて入手することができました。選定されている蝶の種類も申し分なく、デザインや配色も素晴らしい気品のある仕上がりになっています。これまで使用済を1種だけ持っていたのですが、実際に全セットを手にした時の嬉しさは、コレクターでなければ分かってもらえないかと思います。 |
1969.5.13 蝶切手
キジマドクチョウ Heliconius charitonia (ドクチョウ科) |
ルリモンウラモジタテハ Diaethria astala (タテハチョウ科) |
ドクチョウの一種 Heliconius hortense (ドクチョウ科) |
ベニスジシロモンタテハ Pyrrhogyra neaerea (タテハチョウ科) |
ウラベニカスリタテハ Hamadryas amphinome (タテハチョウ科) |
オオカバタテハの一種 Smyrna karwinskii (タテハチョウ科) |
フタエヘリボシジャコウアゲハ Parides photinus ♂ (アゲハチョウ科) |
ホソバマエモンジャコウアゲハ Parides neophilus ♀ (アゲハチョウ科) |
描かれている蝶はタテハチョウ科が4種とドクチョウ科が2種、それにアゲハチョウ科のジャコウアゲハ類が2種です。キジマドクチョウと30cの Heliconius属、ウラモジタテハ、カスリタテハなど中南米に数多く分布するドクチョウ科とタテハチョウ科の種類が選ばれています。カスリタテハ類は飛翔するときにカチカチという摩擦音を出すことで有名です。 ホソバマエモンジャコウアゲハは蝶切手では珍しく雌が描かれています。一般に雌は雄に比べて地味な種類が多いのですが、種類によっては雄に劣らぬ派手な種類もあります。 |
1974年には、2コロンの切手に「C 0.25」と加刷した切手が発行されました。 |
1974.9.15 蝶切手(加刷)
フタエヘリボシジャコウアゲハ Parides photinus ♂ (アゲハチョウ科) |