南米のペルーからの最初の蝶を描く切手です。しかも5種すべてをアグリアスで揃えています。アグリアスは、南太平洋地域のトリバネアゲハ、南米のモルフォチョウとともに、世界の美蝶の一つとして蝶の収集家からも注目される種類です。そのアグリアスのなかまからアミドンアグリアスの雌、クラウディナアグリアスの雌雄、ベアタアグリアスの雌雄、計5種が一つのシリーズとして採用されました。アゲハチョウ科だけといった取り上げ方はたまに見られますが、特定の属だけでシリーズを構成するというのは珍しいことです。 アグリアスのなかまは、黒地に赤、青、緑の原色の派手な蝶ですが、美しいだけでなく、その飛び方が非常に敏捷で、「真紅の光条が空気をつらぬく」ように見えるといわれ、以前は完全な標本がたいへん貴重な種類でした。しかし、人の排泄物が大の好物であることが知られるようになってからは、案外簡単に捕らえられるようになったといわれています。なお、アミドンアグリアスとベアタアグリアスは、裏面が描かれており、アグリアスに共通な後翅の複雑な裏面模様を見ることができます。 |
1990.2.11 蝶切手
アミドンアグリアス(裏面) Agrias amydon ♀ (タテハチョウ科) |
クラウディナアグリアス Agrias claudina ♂ (タテハチョウ科) |
クラウディナアグリアス Agrias claudina ♀ (タテハチョウ科) |
ベアタアグリアス(裏面) Agrias beata ♂ (タテハチョウ科) |
ベアタアグリアス(裏面) Agrias beata ♀ (タテハチョウ科) |