パプア・ニューギニア Papua New Guinea

大型の華麗な蝶であるトリバネアゲハをはじめ多くの熱帯特有の美しい蝶が棲むパプア・ニューギニアから発行された素晴らしい純蝶切手のロングセットです。昆虫研究所の標本を元に入念にデザインされスイスで印刷された極めて完成度の高いシリーズです。


1966.2.14 通常切手
(12cのみ1966.10.12発行)

オオルリアゲハ イチモンジイシガキチョウ ミイロタイマイ ビロードタテハ
オオルリアゲハ
Papilio ulysses ♂
(アゲハチョウ科)
イチモンジイシガキチョウ
Cyrestis acilia
(タテハチョウ科)
ミイロタイマイ
Graphium weiskei
(アゲハチョウ科)
ビロードタテハ
Terinos alurgis
(タテハチョウ科)

1966.10.12
メガネトリバネアゲハ オオルリマダラ パプアアゲハ
メガネトリバネアゲハ
Ornithoptera priamus ♂
(アゲハチョウ科)
オオルリマダラ
Euploea callithoe
(マダラチョウ科)
パプアアゲハ
Papilio euchenor
(アゲハチョウ科)

トラフタテハ タチバナカザリシロチョウ
トラフタテハ
Parthenos sylvia
(タテハチョウ科)
タチバナカザリシロチョウ
Delias aruna
(シロチョウ科)

ミナミオオコムラサキ パプアイワサキコノハ ゴクラクトリバネアゲハ
ミナミオオコムラサキ
Apaturina erminea
(タテハチョウ科)
パプアイワサキコノハ
Doleschallia dascylus
(タテハチョウ科)
ゴクラクトリバネアゲハ
Ornithoptera paradisea ♂
(アゲハチョウ科)


10¢のメガネトリバネアゲハと$2のゴクラクトリバネアゲハがインドシナからオーストラリアにかけて生息するトリバネアゲハの代表的な種類です。メガネトリバネアゲハはトリバネアゲハの中でもポピュラーな種類でオーストラリアも含め比較的広い範囲に分布しています。ゴクラクトリバネアゲハはニューギニア特産でありこのシリーズの最高額面に相応しい種類です。トリバネアゲハの仲間は切手にも頻繁に登場しており世界最初の蝶切手であるアカエリトリバネアゲハも同じ仲間です。


1975年に、4種のトリバネアゲハを描く蝶切手が発行されました。東南アジアからニューギニアにかけて生息するトリバネアゲハは、中南米のモルフォチョウと並び世界でもっとも華麗な蝶として有名です。トリバネアゲハは、アゲハチョウ科のジャコウアゲハ族に含まれる蝶です。一般にトリバネアゲハと言うと広義と狭義の意味があります。広義のトリバネアゲハ類は、キシタアゲハ属(Troides)、アカエリトリバネ属(Trogonoptera)、トリバネアゲハ属(Ornithoptera)を総称しており、狭義の意味ではトリバネアゲハ属を指します。

狭義の意味でのトリバネアゲハは、ニューギニアを中心に14種が分布していますが、そのうちの4種が採り上げられています。1966年の通常切手に採り上げられた、メガネトリバネアゲハとゴクラクトリバネアゲハと合わせ、6種のトリバネアゲハが揃いました。いずれも雄で金属光沢のある緑色に輝く美しい種類ばかりです。


1975.6.11 蝶切手

アレクサンドラトリバネアゲハ
Ornithoptera alexandrae ♂
(アゲハチョウ科)
ビクトリアトリバネアゲハ
Ornithoptera victoriae ♂
(アゲハチョウ科)
アロットトリバネアゲハ
Ornithoptera allottei ♂
(アゲハチョウ科)
キマエラトリバネアゲハ
Ornithoptera chimaera ♂
(アゲハチョウ科)


アレクサンドラトリバネアゲハの雌は世界最大の蝶として知られています。最初に採集された個体は散弾銃で撃ち落とされたことで有名です。生息地はパフアニューギニア東北部のごく限られた地域の低地の林にのみ生息し、法律で守られた保護種になっています。ビクトリアトリバネアゲハはソロモン諸島に広く分布する種類ですが、パプアニューギニアには分布しないはずです。なぜこのトリバネアゲハを採り上げたのか疑問です。キマエラトリバネアゲハは、ニューギニアの標高1000〜2000mの山地に広く生息しています。アロットトリバネアゲハはおそらく、メガネトリバネアゲハとビクトリアトリバネアゲハの種間雑種と思われます。


1979年には6種の美しい蛾を描くシリーズが発行されました。このように美しい蛾だけを揃えたシリーズは珍しく、なかなか見応えがあります。コウモリガ科は、1970年のニュージーランドの切手につづいて2種目です。コウモリガ科のほか、シャクガとヤガおよび美しい蛾で知られるツバメガ科から2種が採り上げられています。ツバメガ科は比較的小さな科ですが、昼行性の種には鮮やかで美しい色彩を持ったものが多く知られています。マダガスカル特産のニシキオオツバメガ、中南米のナンベイアオツバメガなどがとくに有名です。尾状突起が発達する種が多くしばしば蝶に間違われます。夜行性のツバメガはか弱い感じで色彩も白色か淡色です。


1979.8.29 蛾切手

コウモリガの一種
Aenetus cyanochlora
(コウモリガ科)
シャクガの一種
Celerena vulgaris
(シャクガ科)
シロヘリベニモンコノハ
Phyllodes conspicillator
(ヤガ科)

オーロラルリツバメガ
Alcidis aurora ♂
(ツバメガ科)
オオツバメガの一種
Lyssa patroclus
(ツバメガ科)



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