イタリアから最初に発行された蝶蛾切手は、1953年にローマで開催された第6回国際微生物会議を記念する切手に描かれたカイコガです。会議は9.6〜12までの一週間開催されました。印面にはイタリアの微生物学者である Agostino Bassi(1773-1856) とともにカイコガの幼虫、蛹、成虫が描かれています。 右側の切手は、第二次世界大戦後、一時的に連合国の管轄に置かれたアドリア海に面するトリエステA地区から同時に発行された切手です。イタリアの切手に "AMG FTT" と加刷しています。AGG FTT は、 Allied Military Government, Free Territory of Trieste の略です。トリエステはA地区とB地区に分割され、A地区はイタリアにB地区はユーゴスラビアに1954年に併合されました。 |
1953.9.5 第6回国際微生物会議
トリエステA地区 (Trieste Zone A) |
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カイコガ(幼虫、蛹、成虫) Bombyx mori (カイコガ科) |
イタリアは、1953年にカイコガを描く切手は発行していましたが、長い間、蝶切手が発行されていなかったメジャーな国の一つです。ようやく1996年に4種の蝶と蛾を描く切手が発行されました。 |
1996.8.26 蝶蛾切手
イタリアシロジャノメ Melanargia arge (ジャノメチョウ科) |
コルシカキアゲハ Papilio hospiton (アゲハチョウ科) |
ベニモンマダラの一種 Zygaena rubicundus (マダラガ科) |
ヨーロッパイボタガ Acanthobrahmaea europaea (イボタガ科) |
コルシカキアゲハは、サルディニア島(イタリア)とコルシカ島(フランス)にのみ生息する種ですが、両島でも生息地、生息数ともに限られています。キアゲハ(Papilio machaon)に非常に近い種類です。ヨーロッパイボタガも、約30年前に発見された種で、イタリア南部のルカニア地方の火山湖近くの森林にのみ生息する稀種です。 |