フランス France

1956年にファーブルを描いた切手がフランスから発行されました。オオクジャクヤママユをルーペで観察するファーブルの姿が描かれた切手です。ファーブルが見ている蛾がオオクジャクヤママユであることは、彼の昆虫記からも明らかなのですが、図案として見た場合この切手を純蛾切手としてよいかどうかちょっと疑問が残ります。切手の印面にはオオクジャクヤママユ以外にもファーブル昆虫記に出てくる昆虫が何種類か描かれています。ウスバカマキリ(Mantis religiosa)、トネリコゼミ(Tibicen plebejus)、オオタマオシコガネ(Scarabaeus sacer)です。

ファーブル昆虫記におけるオオクジャクヤママユのエピソードについては、モナコから1973年に発行された「ファーブル生誕150年記念」の切手のページをご覧ください。


1956.4.7 科学者ファーブル

オオクジャクヤママユ
Saturnia pyri
(ヤママユガ科)


マキシマムカード


1976年に地方観光誘致を企画した11種のシリーズが発行された中に、フランス最初の蝶の図柄の切手が含まれています。フランス領ギアナを紹介した1種にモルフォチョウが描かれました。本国の蝶ではなく南米の蝶がフランス最初の蝶切手となったわけです。

レテノールモルフォは開張が13-15cmで、雄は目を見張るような鮮やかな青色の金属光沢を持つ代表的なモルフォチョウの1種です。輝きはキプリスモルフォよりもやや劣りますが、青の濃さはモルフォチョウの中でも秀逸です。雌はオレンジ色がかった褐色と黒色の模様をもち雄とはまったく違った色彩になっています。


1976.10.16 地方切手(ギアナ)

レテノールモルフォ
Morpho rhetenor ♂
(モルフォチョウ科)


1980年には自然保護を訴える切手にイザベラミズアオというヤママユガを描いた切手が発行されました。ヨーロッパに生息する蛾の中ではもっとも美しい種類であり、スペイン中部の山地やピレネー山脈の松林に生息し、標高1,800mまでの高地で昼も夜も活動します。切手にも描かれているように幼虫はさまざまな種のマツの針葉を食べます。雌の尾状突起は雄よりも短く幅広くなっています。


1980.5.31 自然保護

イザベラミズアオ
Graellsia isabellae ♂
(ヤママユガ科)



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