日本最初の蝶切手

JAPAN 日本
1956.6.20 通常切手

オオムラサキ

オオムラサキ
Sasakia charonda
(タテハチョウ科)


初日カバー


オオムラサキは日本のタテハチョウ科の中でも大型で実に堂々としたとても美しい蝶です。日本の国蝶として指定されており、日本最初の蝶切手として登場するのにもっとも相応しい蝶と言えます。国蝶だから最初の蝶切手として選ばれたのも当然と思われるかもしれませんが、実は国蝶に指定されるまでには紆余曲折がありました。

昭和8年の蝶類同好会の集まりで国蝶を決めようとの提案があり、オオムラサキ、ミカドアゲハ、ギフチョウの3種が候補になりました。オオムラサキの賛同者が多くほぼ決まりかけたのですが、オオムラサキは一般には馴染みがなく日本全国に分布するアゲハチョウとすべきとの異議が出たりして、昭和11年まで論争が続きました。第二次世界大戦のためその決着は戦後に持ち越されました。

昭和31年になって動物切手の一つとして蝶の切手の発行が計画され、ミカドアゲハが候補になりましたが、蝶研究家の意見から結局オオムラサキが選ばれました。それがこの日本最初の蝶切手でです。この切手が発行された翌年の昭和32年に日本昆虫学会は正式にオオムラサキを国蝶と指定しました。切手の発行が国蝶決定を促した結果になりました。

日本最初の蝶切手が発行された当時でも、世界の蝶と蛾の切手はまだ40種程度しか発行されておらず、この切手は世界的に見ても早い時期に発行された蝶切手の一つです。

オオムラサキの詳しい説明はこちらをどうぞ → 「長坂町オオムラサキセンター」


1966.9.1 通常切手

オオムラサキ

オオムラサキ
Sasakia charonda
(タテハチョウ科)


初日カバー


1966年に万国郵便連合の新規則により切手に国名をローマ字でも入れることになったため、この75円のオオムラサキの切手もバックの地色を薄くして「NIPPON」のローマ字を入れた切手に変更されました。



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