世界最初の準蝶切手

HAWAII ハワイ
1890
通常切手
1893
臨時政府 加刷
女王リリウオカラニと蝶の形の髪飾り


純蝶切手の最初の切手はサラワクから1950年に発行されましたが、準蝶切手の世界で最も古いものはと言えば、上記のアメリカ領となる以前のハワイ王国から発行された2セントの通常切手になります。女王の肖像の頭に蝶の形をした髪飾りが見えます(下記拡大図をご覧ください)。

女王リリウオカラニはハワイのカメハメハ王朝最後の女王で、兄のカラカウア王の死後即位しました。髪飾りは、ハワイ特産種のカメハメハアカタテハを模しており、王家を象徴する名前の蝶にちなんだ女王愛用の品でした。カメハメハアカタテハは、ハワイ諸島特産の2種の蝶のうちの1種であり、 1821年ロシアの探検家エッシュショルツによって発見された美しい蝶です。

情報ッリウオカラニは、即位後まもなく王位を退く事態に追い込まれ、 1893年には、 上記2セント切手にも「provisional GOVT. (臨時政府)」という加刷が入れられました。治世は3年間と短いものでした。

ところで、女王リリウオカラニは音楽の才能に恵まれていて、あの世界的に有名なハワイアンソング「アロハオエ」の作曲者でもあります。したがって、この切手は世界最初の「準蝶切手」であると同時に、世界最初の「純音楽切手」でもあるのです。



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