純蝶切手と準蝶切手

「純蝶切手」と「準蝶切手」はどちらも発音が同じなので混乱することが多いのですが、「純蝶切手」は蝶を主題としている切手でかつ描かれている蝶の種別が判るもの、と言う定義になります。したがって「準蝶切手」は、蝶が主題でないもの、主題であっても種別が判らないようなもの、と言うことになります。実際例でご覧ください。


「純蝶切手」蝶が主題で種別も明確

スイス(1952.12.1)
児童福祉切手
ヨーロッパシロジャノメ
日本(1980.8.2)
第16回国際昆虫学会議
ギフチョウ


「準蝶切手」種別は判るが蝶が主題でない

ルーマニア(1962.8.25)
子供の生活
ヨーロッパアカタテハ
西ドイツ(1981.2)
環境保全と公害防止
シジミチョウ


「準蝶切手」蝶が主題だが種別が不明

日本(1991.5.31)
第2回郵便切手デザインコンクール
ちょうちょ


「準蝶切手」蝶が主題でなく種別も不明

日本(1994.6.3)
環境の日制定
(蝶が2羽描かれている)
日本(1995.6.1)
グリーティング切手
(蝶が1羽描かれている)


それでは次の切手はどちらでしょうか?

日本(1966.4.20)
切手趣味週間
藤島武二画「蝶」
ニュージーランド(1970.9.2)
通常切手

左の切手は一見蝶が主題で種別の判る蝶がたくさんあるように見えますが、主題はあくまでも絵画であり「準蝶切手」です。

右の切手は主題が蝶であることは明らかなのですが、種別が判るかという点がポイントです。デフォルメされていますが、種別の特徴を的確に捉えているためにミナミベニヒカゲと言うジャノメチョウの一種であることが判ります。「純蝶切手」として扱われています。

しかしながらこの区分はあくまでも収集家の基準であって、どちらとも判断し難い切手もあります。参考文献として、JPS昆虫切手部会編「世界の昆虫切手」(1989発行)には「純昆虫切手」がリストアップされています。



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