サラワク Sarawak

1950年1月3日、北ボルネオの英領サラワクから15種の新しい通常切手が発行されました。メガネザルやセンザンコウなど珍しい動物や風俗を描いたシリーズですが、その中の最小額面の1セント切手が、記念すべき世界最初の蝶切手となりました。サラワクは1963年以降はマレーシアの一つの州になっています。

黒に近い深い青色の一色凹版刷りで、蝶切手第1号に相応しく落ちつきのある仕上がりになっています。英国ジョージ6世の肖像とともに描かれた蝶は、モルフォチョウとともに、蝶の中でも最も華麗なグループであるトリバネアゲハの一種アカエリトリバネアゲハが選ばれています。


1950.1.3 通常切手

サラワクの切手

アカエリトリバネアゲハ
Trogonoptera brookiana ♂
(アゲハチョウ科)


実逓カバー


アカエリトリバネアゲハはボルネオ島の他、マレー半島、スマトラ島、フィリピンのパラワン島などから発見されており、6つの亜種に分類されています。最初にこの蝶をボルネオで発見し新種として記載したのは、ダーウィンと同時に自然淘汰説を唱えた生物学者、アルフレッド・R・ウオレスです。ウオレスについては「世界最初の蝶切手」をご覧ください。



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