中国 China

1963年に中国から素晴らしい蝶切手が発行されました。20種のロングセットです。すべて蝶だけで蛾が1種も入っていない20種のロングセットはなかなか見応えがあります。しかも1963年という蝶切手としは初期のグループに入ります。更に素晴らしいのは、選ばれている蝶がすべて中国特産の種であり、かつ、広範囲の種が選ばれています。デザインもシンプルで多少デフォルメされた蝶が白地をバックにみごとにまとめられています。洗練されたスイスの蝶切手とともに私のお気に入りの蝶切手です。


1963.4.5 蝶切手(1次)

エルシェフモンキチョウ
Colias erschoffi ♀
(シロチョウ科)
シナシボリアゲハ
Bhutanitis thaidina
(アゲハチョウ科)
ニシシナワモンチョウ
Stichophthalma neumogeni ♀
(ワモンチョウ科)
シセンタイマイ
Graphium tamerlanus
(アゲハチョウ科)
シマジャノメ
Ragadia crisilda
(ジャノメチョウ科)
コウトウキシタアゲハ
Troides magellanus ♂
(アゲハチョウ科)
オオアカボシウスバシロチョウ
Parnassius nomion ♀
(アゲハチョウ科)
マルバネルリマダラ
Euploea leucostictos ♂
(マダラチョウ科)
ソルスキーベニシジミ
Thersamonia solskyi
(シジミチョウ科)
トラフタテハ
Parthenos sylvia
(タテハチョウ科)


1963.7.15 蝶切手(2次)

アオスソビキアゲハ
Lamproptera meges
(アゲハチョウ科)
ホッポアゲハ
Papilio hoppo
(アゲハチョウ科)
オナガアカシジミ
Loxura atymnus
(シジミチョウ科)
シナテングアゲハ
Teinopalpus aureus
(アゲハチョウ科)
ムシャミドリシジミ
Chrysozephyrus mushaellus
(シジミチョウ科)
メスシロキチョウ
Ixias pyrene ♂
(シロチョウ科)
ミナミミカドアゲハ
Graphium eurypylus
(アゲハチョウ科)
ヒマラヤシジミタテハ
Dodona adonira
(シジミタテハ科)
ムラサキテングチョウ
Libythea geoffroy ♂
(テングチョウ科)
ガビサンセセリ
Capila translucida
(セセリチョウ科)


蝶の科は最近はセセリチョウ科、アゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、タテハチョウ科の5科に分類するようですが、以前は、タテハチョウ科をタテハチョウ科、ジャノメチョウ科、ワモンチョウ科、モルフォチョウ科、マダラチョウ科、フクロウチョウ科、テングチョウ科の7科に、シジミチョウ科をシジミチョウ科とシジミタテハ科の2科に細分化していました。実はどちらが正しいのかよく知りません。「蝶切手の魅力」では細分化された科名を使用しています。

ところでこの中国の蝶切手では、細分化された科のうちモルフォチョウ科とフクロウチョウ科を除くすべての科の蝶が登場しています。モルフォチョウとフクロウチョウはどちらも南米の蝶なので中国には分布していないので当然です。そういう意味からもこのロングセットの蝶の選択は非常に素晴らしいと思います。



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